櫛田の医療最前線

[医療コラム]北海道の医療環境に必要な遠隔医療

Autumn wheat field and blue sky in Biei日本全国で医師が不足しているのは周知の事実です。全国的に医師不足の地域はどの都道府県であっても存在します。また離島などの僻地ほど、深刻な問題を抱えているのです。しかし、医師の偏在化問題を一番大きく抱えているのは北海道だと言われています。

北海道はとても広いです。これは北海道の人にとっては普通のことですが、本州の人には分からないはずです。でも、その大きさといったら、東京~大阪間がすっぽりと収まってしまうほどの大きさです。この広さを考えたら、北海道の医師の偏在化問題についても納得するのではないでしょうか。北海道では、土地が広大な分、医師が足りず深刻な問題となっております。しかし、この問題は今に始まったことではありません。長らく、北海道の医療課題として地域格差を埋めることが切望されていたのです。

その手掛かりとするために開発されたのが遠隔医療システムになります。歴史はまだ浅く、1994年に浅川医科大学眼科学講座によって開発されました。あくまでも眼科用の器機になりますので、患者の眼球像を見て診療や手術のサポートを行うものです。その後、1999年に旭川医科大学病院に眼科以外の診療も行えるように遠隔医療センターが本格的に開設されました。その後、デジタルやインターネットの発展により、ネットワークもより洗練され高度化されました。遠隔医療の実績も着実に増え、現在に至ります。

このように、北海道では仕方ない部分もあり遠隔診療が発展したという経緯もありますが、現役医師のとしては、やはり診療は「見て・聞いて・触って」が基本だとし、遠隔診療否定派の方がまだまだ多いのが実情のようです。もちろん、医師自体が増えてくれれば遠隔診療に頼る必要はないので、北海道の医師求人に興味を持ち、このような環境に飛び込んできてくれる医師がいてくれることを願います。