櫛田の医療最前線

癌の放射線治療最前線

放射線治療

癌とは悪性の腫瘍である細胞が増え、全体へと転移していく怖い病気です。この細胞が増えないようにしたり、悪性の細胞を少なくしたりするときに使われる治療法に放射線治療があります。この治療法にはX線、ガンマ線、電子線が主に挙げられ、ほかにも陽子線や重粒子線などがあります。この治療法の特に注目しておきたい利点が切除することなく治療ができるといった利点です。通常悪性の腫瘍がある場合、この部位だけでなく周りも手術で切除しなければならず、大きな腫瘍がある場合には臓器自体を切除しなければいけないのです。

しかし放射線治療の場合には切除するといったリスクがなく、臓器をそのまま残したり、臓器の機能をそのまま残すことが可能です。つまり患者さんに負担をなくし、治療ができるのです。この治療をおこなう際には、お医者さんがしっかりと患者さんの体調や癌の進行などをしっかりと見極めて治療をしなければいけません。それは部位ごとに違った治療法や副作用などさまざまなことが起こることがあるからです。治療の進み具合によっては放射線診断医をはじめ、治療医、薬物療法専門医などが集結して患者さんのこれからの治療についてしっかり検討されます。

かくいう私の母も癌手術後に放射線治療を行っていましたが、手術を行わないで放射線治療だけを行う患者さんも多いそうです。癌にはステージとよばれる進行段階があり、ステージによっては手術による治療ができません。しかし放射線治療であればどのステージからでもはじめることができます。また手術での治療が難しい部位でも治療がしやすいのも放射線治療におけるメリットのひとつです。実際に、欧米ではがん治療の患者の6割が放射線治療を行うと言われています。日本でも今後主流の治療法になっていくでしょう。